私とシンガポールとの関わり
〜自己紹介代わりに〜
長文になりますが、なぜシンガポールネタ?ということを紹介しておきましょう。
初めて、シンガポールの地を踏んだのは、90年代初頭になります。私の最初の感想はこんな感じです。最初に町中に到着して、タクシーを降りた時には夜11時を回っていました。今にすると単なる笑い話ですが、周囲にまだたくさん女の人がひとり歩きをしていて、「何という治安の良い街なんだ」と感心したことを今でも良く覚えています。
最初に訪れたときには、私も清潔だけど、あまり個性がない街かなという風に思いました。しかし自分で歩きながら、見て触れるうちに、だんだんその考えは変わってきました。もしかすると自分は、何かスゴイところに来ているのではないだろうか?、そんな感想すら感じるようになりました。その治安の良さ、食事の安くてうまいこと、都市化が進んでいる割には空気もキレイ、そして多様な文化と、あちこちの出身国の人とが混在するコスモポリタンなカルチャーに、すっかり心を取られてしまいました。ほぼ同時期にも、アジア諸国のあちこちを旅行していますが(今でもそうです)、これらは他のアジア諸国では、感じなかったことです。よくシンガポールのことを「キレイすぎて魅力がない」と非難する方々がライバルとして引き合いに出す、タイのバンコク、あるいは香港といった街のカオスな雰囲気は、シンガポールにはありません。しかしシンガポールにも数多くの良いところがあります。そんな面も伝えたくて、サイトの最初のコンテンツとしました。
しかし、冷静に考えてみると、はたして自分の持っている知識は、そもそも発信する価値があるんだろうか?、と疑問にも思えてきました。シンガポールネタを提供する個人サイト・blogなどは、無数にあります。そもそもシンガポール在住邦人は、万単位になるわけですから、当然といえば当然です。でも、現地からのLIVEな発信情報以外に、外から見た(旅行者的視点から見た)情報というのも、存在意義アリかな?、とも思い、コンテンツをまとめることにしました。例えばホテル情報とかは、逆に在住している方が知りにくい情報ではありますし。
コンテンツは、以前からメールなどで知人に教えていた情報が、元ネタとなっています。そのままでは当然使えないので、参考になりそうな情報のみに絞って、足りない部分は大幅に手を加えて公開いたしました。一応、”超個人的・情報発信サイト”がポリシーですが、訳の分からん情報を発信しても、仕方がないですから(^^;。その編集過程で、流行ネタは、このHPからは、極力排除しました。これは、現地発信情報に対して全く勝ち目がないということと、シンガポールは流行り廃りの激しいところなので、最新流行に関しての情報は、頻繁に内容を書き換えないと、内容が陳腐になりやすいという配慮からです、ご了承下さい。
ちなみに来星回数は、数えきれません。最初の10回くらいまではカウントしていましたが、あっという間に10回をオーバーして(とっくの昔、90年代のこと)、数えるのを止めました(^^)。その自分で見聞きする過程で、シンガポールからは、実に色々なことを教わりました。合理的な物事の進め方とか、英語に対するスタンスとか。現地の人が話す英語(いわゆるシングリッシュ[Singlish])なんて、文法が無茶苦茶!、発音が変!、でもお互い意味は通じます。多民族国家の編み出した技なのか、英語が生きたツールとなっていることを痛感しました。あと、国土が狭いのに住宅事情がよいこととか、道路整備が素晴らしいこととかも、印象的です。前者は、HDBなどの住宅政策の勝利かと思います。シンガポール中、団地だらけかもしれないけど、それでも相当な広さの居住空間を確保しているのは、凄いことですよ(香港なんて、狭いのに値段だけ一人前で、悲惨なのに)。道路も、道幅がちゃんと確保されていて、日本の狭い道路とは雲泥の差です。要するに国土の広さが問題なんじゃなく、やり方の問題なんだということを、自分は悟りました。
ところで、こういう話を知人に熱く語り出すと、決まって「おまえ、そんなに好きなら、いっそシンガポール行って、向こうへ行って仕事すれば?」といわれます。いやいや、機会があれば、嬉しいんですが(^^)、あるようでないんですよ、仕事が。私の仕事は技術系サラリーマンですが、研究の寄りの仕事でして、ソフトウェアが専門ですが、得意分野は、通信と画像認識で、ちょっと変わっているんですよ。関心があって、一度まじめにシンガポールで活躍の機会を探したことがあるのですが、これがナイのですよ、本当に無い。そもそもアジア圏にある情報通信関係のR&Dセンターというと、日本以外では、韓国か中国ぐらいでして、シンガポールには、ほとんど無いはず。さらに、1度日本人エンジニアの就職事情に詳しい人に、直接お話を聞く機会がありました。その人から、”(研究寄りの)日本人のエンジニアに現地から声がかかるケースは、一般的には極めてまれ”と断言されました。あったとしても、分野が非常に限られていて、例えばシステム管理者(SE、ネットワーク管理など)、あるいは日系相手のセールス関係、または製造関係の技術者に限られるそうです。「それ以外の特殊な分野について詳しいエンジニアが必要な場合、言葉の関係もあり、大抵アメリカ、イギリス、オーストラリアあたりから、直接スカウトして連れてくるケースがほとんど」とか。うん、確かに、そう言われてみれば、一時盛んに宣伝されていた"gathering
foreign talent"というポリシーも、英語圏のみ対象と考えれば、確かに納得のいく話です。
自分の得意分野について考えてみると、通信の本場は、当然EUと、アメリカです。画像認識という分野も、非常にニッチな分野で、日本以外で熱心に研究されているのは、主に軍事関係分野です。表向きは、大学、民間企業で研究されている場合でも、実は間接的に、軍や国家機関が資金提供しているケースが極めて多いのです。となると、う〜ん、シンガポールというか、そもそも海外で活躍の機会は、なさそうですね。いや今でも、お誘いさえあれば真剣に考えます。もしご興味がありましたら、ご連絡、お願いします(^^)。
改訂:2009.06.28 (Ver 1.0a)
初版:2006.01.25