シンガポールの携帯事情(ワイヤレス・ブロードバンド編)


 概要編からの続きです。この章では、データ通信専用のプリペイドSIMカードについて紹介します。
 (検索エンジン経由で来られた方は、まずは、上記、概要編からご覧下さい)

 最近、スマートフォンの世界的流行で、多量のデータをPC並にさばく携帯電話が激増しています。従来のSMSと、ちょっとしたブラウザアクセスとは、データ量が桁違いに異なり、快適に使用するためには、定額制のプリペイドSIMカードが欠かせません。

 概要編でも解説したシンガポールのオペレータ3社(シングテル・モバイル[Singtel mobile]モバイルワン[M1]スターハブ[Starhub])は、それぞれ、ワイヤレスブロードバンド商品として、定額制のデータ通信専用プリペイドSIMカードを販売しています。



(写真は、PC接続用のデータ通信ドングルと、3社のデータ通信専用プリペイドSIMカード。左から、シングテル、M1、スターハブです)


●その1: 用意する物〜PC接続する場合
 写真にある、データ通信用USBスティックが必要です。シンガポール国内のオペレーターの直営店などでも販売されていますが、ebay経由などでも、簡単に入手できます。上記で例示した、データ通信スティックは、"Vodafone"のロゴですが、SIMロックは、かかっていません。
 メーカーは、中国ファーウェイ[Huawei]です。ファーウェイは、この手の商品が得意で、世界のオペレーターに供給しています。上記写真は、SIMカードフォルダーを引き出した状態で、SIMカードを入れてセットするだけです。WINDOWSなら、内蔵の接続ソフトが自動起動します(Huaweiなら、MobilePartner)。昔のGPRS通信時代に面倒だった、APNの設定すら不要で、一発接続出来て、便利です。


●その2: 各社のデータ通信専用プリペイドSIMカード
 音声サービス同様、各社横並びに近いです。1日あたりS$6は、各社共通ですが、3日間でS$18か、2日間で、S$12というところが、選択の分かれ道になります。ジャスト2日間だけでよいなら、スターハブのものが唯一です。各社、微妙に仕様が異なりますので、概要編で解説した「音声向けプリペイドSIMカード」と同様に、特徴などを、表で比較してみましょう。

シングテル M1 スターハブ
データ通信専用プリペイドSIMの名称 Broadband
On Mobile
Prepaid
Broadband
MaxMobile
接続先番号 *99#
価格 S$18 S$18 S$12
データ量の上限 なし なし なし
通信有効期間の可変/切り替え ×
通信有効期間(使用開始から) 連続
3日間(72H)
←(左記)
または、
9時間(中断可)
1時間 or、
1日 or、
2日間
SIMカードのアクティベーション 不要
(ブラウザ経由)

(ブラウザ経由)
通信最高速 [Mbps] 7.2 7.2 2.0 or 7.2
残度数の積み増し(トップアップ)
紙マニュアルの添付
商品の入手性

【各社プリぺイドデータ通信サービスの特徴】


 <シングテル>
 3社中唯一、一度通信開始すると、3日間連続で使い切りになります。アクティベーションも不要なので、”刺せば、スグ通信出来れば、それでよい”、という方には、オススメです。シングテルのブロードバンドSIMカードは、刺せば一発で動くので、赤い紙切れは、マニュアルと言うより、welcomeカード的なものです。



 <M1>
 アクティベーション時(購入後、最初の立ち上げ時)に、3日間(使い切り、中断不可)か、9時間のみか(中断可能)、二択の選択をします。ただし、本カードは、音声用のプリペイドSIMカード同様、入手性がよくありません。コンビニでも扱っているはずなのですが、なぜか、M1のプリペイドSIMは、売っていないことが多いです。
 (※上記の写真の商品は、ちょっと古いです。今は、意匠が替わって、ブルー色を基調としたデザインです。1枚目のUBSモデムのSIMカードの色をご参照下さい。)



 <スターハブ>
 以前は、最初にID番号を入力する必要があるなど、結構不便なカードでしたが、今は、M1の商品と同様、APN等の入力も不要で、購入後、最初の立ち上げで、データプランの選択画面にリダイレクトされるだけですので、便利になりました。
 記憶している限り、スターハブは、この手のデータ通信専用のプリペイドSIMカードを、一番最初に市場提供したパイオニアです。そのためか、一番細かく利用単位をコントロールできる反面、プランの選択が悩ましいです。通信速度が二択で、速度に応じて料金が変わるのも、3社中で唯一です。個人的には、変に悩まずに、連続2日間[48時間]の選択が、一番便利のような気がします。
 商品の入手性は、(先も書いたように一番の古株なので)3社中で、一番良いと思います。シンガポールに、飛行機の乗り換えなどで、1日程度の散発的なシンガポール滞在を何度も繰り返す方には、オススメできると思います。


●買い方、リチャージ(トップアップ)の仕方について
 音声用プリペイドSIMカードと同様なので、概要編の記事をご参照願います。基本は、初回の使用開始時から30日間(リチャージした場合は、最後のチャージから30日間)は、カード自体は有効で、残度数を使い切っても、残度数をリチャージ(トップアップ)しながら、使い続けられます。
 しかし、このデータ通信専用のプリペイドSIMカードは、基本的に使い切りです。管理人も、音声用のSIMカードは、電話番号を他人に教える必要がある以上、同じ物を使い続けていますが、ブロードバンドSIMカードは、来訪の度ごとに、毎回新しいものを買っています。


●参考リンク集(いずれも別ウィンドウに開きます)
2011.07 itmedia: 海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「シンガポール」編
2010.08 mycom: シンガポールでプリペイドのモバイルデータ通信を活用する(前編)
2010.08 mycom: シンガポールでプリペイドのモバイルデータ通信を活用する(後編)
 いずれも、管理人も敬愛する香港在住のライター:山根さんが、シンガポールのプリペイド・ブローバンドSIMカードの購入・利用に関して書かれた記事です。 どちらかといえば、比較的最近に書かれた。itmediaの記事の方を、オススメします。


改訂:2011.09.10 (Ver 1.0a)
初版:2011.09.04


【初版/2011年版 あとがき】
 長い間の課題であった、データ通信専用のプリペイドSIMカードの情報を、ようやっと記事に出来ました。上記の香港在住・山根さんの記事は、もしかすると、当管理人が、プリペイド・ブロードバンドSIMカードの記事をなかなか書かないことに、もしかして業を煮やされたのかも知れません(スミマセン、山根さん...、今度お会いしたら、また色々語りましょう)。


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